並はずれた責任感を持つ理想主義者

土星人は人の好き嫌いが激しく、相手の立場や都合を推し量るのが苦手です。職場や学校、家庭など、どんな環境でも、自分のポリシーを押しとおそうとしますから、周囲からは扱いにくい人。頑固で柔軟性に乏しい人、などと敬遠されやすいようです。友だちどうしで楽しみを分かち合ったり、協力して難局を乗り越えたりという人間どうしのつながりに欠けるといえるかもしれません。

土星人が大殺界に突入すると、学校や職場では除け者にされたり、ビジネスマンだったら左遷の憂き目に遭うケースが多いのですが、それも、こうした土星人特有の資質がもたらすものなのです。

しかし、基本的に利害よりも名誉やプライドを重んじる傾向が強いので、そうした状況におかれても、人恋しくなることはまずありません。逆に、人に煩わされずに済むと思っているのですから、さっぱりとしています。

土星人が精神的なダメージを負うのは、自分の理想をつらぬけないとき、あるいは筋がとおらない出来事にぶつかったときでしょう。とくに、社会や組織の中における矛盾には強いいきどおりを感じます。要領よくやり過ごしたり、黒いものを黒いといえないような状況は許せません。最悪の場合、ドロップアウトしてまで筋をとおそうとしてしまう可能性もあります。これは、土星人が並はずれた責任感の強さを持っていることを意味しています。

職場でも、いったんまかされた仕事は、どんなことがあっても、また、たとえひとりになっても最後までやり遂げようとします。借りたお金も、たとえ少額であっても、期日までにきちんと返す几帳面さは、六星人中では随一といえるでしょう。

律儀さと潔癖さを常に追求し、同時に、その理想のままに生きようとする土星人。
このような土星人の言動は、時として現実離れした融通のきかない頑固者と見られることもありますが、いまどきめずらしく正義感の強い人だという評価を受けることも確かです。さらに、だれも考えつかないような独特のアイデアで新しい企画を発表したり、多くの人々を感動させるイベントを思いつくなど、創造的な世界において、その独創性を発揮します。

筋をとおすためには実力行使も辞さない激しい一面を持つ土星人ですが、本来は温厚な平和主義者です。周囲を穏やかにおさめる力を持っていますから、過激な理想主義に突っ走らない自制心が必要といえるでしょう。