ピタゴラス式数秘術

数秘術とは

数に神秘的な力があると信じていたのは、古代文明やギリシャの哲学者たちだけではありません。ルネッサンス時代の学者や現代の多くの数学者たちもその神秘の力を信じています。

ザイールで発見された紀元前9000年から紀元前7500年頃のものと見られる骨に月の満ち欠けを表す印が刻みこまれていました。これは、これまでに発見された中でも最も古い数学的行為の1つです。

数秘術の起源は、占星術と同じように古く、メソポタミア文明、ユダヤ文明、古代ギリシー文明に遡ることができます。例えば、旧約聖書では、文章や夢や人の名前などに出てくる数文字には隠された意味があると考えていました。それぞれの文明は、独自に数の意味を解釈する体系を作りあげました。有名なものでは、ピュタゴラス学派、カバラ、易、マヤなどの理論があります。

ギリシャの多くの哲学者たちは、数の神秘に惹きつけられましたが、中でも最も有名なのがピタゴラスです。彼は、数は神聖なもので、「万物は数である」と主張しました。ピタゴラスは宗教団体の教祖で神秘的な人物ですが、まぎれもない数学者です。現代の数学者との違いは彼が神学と論理的思考とを融合させたことです。ピタゴラスは、数の概念の基礎を築き、文明に遺産を残したのです。また、彼は音楽と数との重要な関係に気づき、音階と数学との関係を確立しました。

数が形に対応していることを発見したのもピタゴラスで、長方形、正方形、三角形を点や数の組み合わせとしてとらえた最初の人物です。彼の説を信奉するピタゴラス学派の人々もまた、世の中のあらゆるものの基本にあるものは数学の原理であると信じていました。そして、数学の原理の根幹をなすのが数であるとし、数が自然界の秩序を形成しているのだと考えました。

今日の数学者の中にもこの考えを信奉し続けている人々がおり、宇宙をより深く観察すればするほど、宇宙が数学的な存在であることが明らかになると主張しています。数と数学によって、宇宙の仕組みを正確に表すことができるということです。

数には、数学理論、哲学の定義、記号としての数という3つのとらえ方があります。20世紀初頭、ユングが意識は秩序であり、秩序の基本は数であるという説を唱え、数がなければ秩序もないと主張しました。またユングは、数は量的でもあるが質的でもあると信じていました。
現に、原子の質量の変化は質的変化をもたらすことが素粒子物理学の研究で明らかになっています。

数秘術は、占星術と同様、私たちの存在と生きる目的を理解する数ある方法の中の1つにすぎません。数字は、2つの性質を持っており、よい面と悪い面の両方を象徴しています。その意味を解き明かすことにより、我々が持っている可能性を探り、さらにそれを発展させ、また生きていくうえでのヒントを提供してくれるのです。その人の生まれた月と日の数字の質的解釈に重点を置きました。自分の秘数を計算する方法は、以下の通りです。

秘数の計算方法

秘数は、生まれた年、月、日の数の合計から導き出します。秘数が、人生の目的を明らかにし、あなたの長所・短所を教えてくれます。つまり自分の秘数を知ることにより、自分をよりよく見つめることができるようになるのです。秘数の計算方法は、とても簡単です。すべての数字をただ足していけばいいのです。

例えば:

1956年6月28日=1+9+5+6+6+2+8=37=3+7=10=1+0=1
秘数は1です。これは37/1と解釈することもあります。

1961年10月20日
1+9+6+1+1+0+2+0=20=2+0=2
秘数は2です。これは20/2と解釈することもあります。

秘数は9までになります。10以上になったら、1+0=1、のようにひとけたの数字になるまで足していってください。